もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
[最終章] 雪月華
――――苦しい
――――逢いたい
自分から離れたくせにあたしの心は悲鳴を上げていた。
早く楽になりたい。
だけどあたしは未だに決めかねていた。
「…………どこがいいかな」
むうっと観光パンフレットを睨みながら呟く。
あたしは単身、京都に来ていた。
理由は、最後の景色おさめの旅。
京都は沢山の名所がある。ぶらりとしながらあたしは出来る限り刻み込んでいた。
月とは駅で別れた。
移動する度に連絡しろと言われたので定期的に連絡を入れていた。
金には困っていなかった。
今まで使っていなかった分が沢山あるし、何より想定していたのか先生が別に、お金を入金してくれていた。
いつの間に、と思ったけど申し訳ない気持ちになってそのお金には手をつけていない。