もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



ある程度は回った。
そろそろ場所もつきてきた。


「………清水寺で最後かな」


パタンとパンフレットを閉じてあたしは歩き出す。


慧斗の元を離れてもうすぐ1ヶ月になる。勿論連絡なんかすることはない。
連絡したら最後、あたしは揺らいでしまうから。


バスに揺られてあたしは清水寺に向かう。京都は古い歴史もある。
広くて現代となった今でも昔の時代にいるかのような錯覚を覚える。
この景色が未来永劫残ればいい。


清水寺を敢えて最後に選んだ理由は特に無かった。
ただ、清水寺の境内から見渡せる景色が綺麗だとパンフレットに書いてあった。
それだけ。


「………だったのに何とも味気ない……」


パンフレットなんて信用出来ないと思った。
確かに綺麗、綺麗だけども


「何この微妙さ」


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