もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
[番外編]彼女≠愛しい妻
彼女、でもいいかもしれないが、俺はどちらかといったら、こっちの呼び方の方が好きかもしれない。
――――番外編 彼女≠愛しい妻
『慧斗―――!!』
大きな声で名前を呼ばれ、またか、とため息をつきながら歩みを止める。
振りかえれば、手を振りながら此方に向かって走ってくる男が一人。
『………お前か、』
『ひでぇな!』
『別に』
はぁ、とまたため息。
『慧斗!授業終わったか?!』
ニカッと笑いながら肩に腕を回してくるこの男。
『ジョン……手、どけろ』
『いいじゃん♪』
金髪で白い肌で、顔はいいらしい、この男。
アメリカの学校に来てから一番最初に会話を交わした奴。
それ以来、頻繁に絡んでくる。
学部が違ったのがせめてもの救いだった。