もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
茶化す神楽って人を慧斗は睨みつけた。
それを横にあたしには別の視線が突き刺さっている。
それに気付かないふりをして、あたしは、慧斗に聞く。
「どこが等価交換になるの?」
自分の今の位置が何だか定位置じゃなかったからもぞもぞ動いて慧斗の胸に背中を預ける形に移動する。
慧斗は、あたしのお腹の前で手を組んだままあたしを離してはくれない。
「雪那ちゃんがここにいるのが等価交換になるんだよ」
「ここに?」
どうして?と上を見上げると、慧斗は何も言わなかった。
「ふーん、じゃあ君は総長の姫になるんだ」
慧斗に神楽と言われた人が言う。
「そういうことだ」
「総長に女?」
「不満か?大吾」
のっそりとソファーで寝ていた少年が不満そうに言う。