もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………そうか」
慧斗は薄く笑みを浮かべるとあたしの頭を撫でる。
されるままになりながら、右目が痛んだけれど気にしないで体重を慧斗にかける。
どれくらいそうしていたか、慧斗に抱かれながら、神楽や遠矢、奏と時々大吾と他愛もない話をする。
「慧斗、時計」
ふいに奏が言葉にする。
慧斗に言ったのに、あたしも自然と時計に目を映す。
時計は、七時を指していて、ここに来てから五時間くらい経っていた。
「時間だな」
慧斗はあたしを立たせると、バイクの鍵を取って立ち上がる。
「じゃあ、また明日だね」
神楽がニコッと笑いながらあたしを見上げた。
「雪那はどこの学校だ?」
遠矢がふいに聞いてきた。