もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「ただいま……親父達は」
「皆様ご帰宅されてます」
「そうか………あ、深見さん」
「はい」
慧斗は、後ろにいたあたしをグイッと前に出した。あたしを見た深見さんは軽く目を見開いている。
「こいつ、雪那」
「へ?あ、雪那です」
いきなり紹介されたので慌てて頭を下げた。
深見さんは、ふっと優しい笑みを浮かべるとあたしに頭を下げる。
「執事をしています、深見です。可愛らしいお嬢さんですね」
「あ、ありがとうございます。」
きっとお世辞だけどあたしはお礼を言う。
「坊ちゃんが女性を連れてくるのは初めてですね」
「………そうかもな」