もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
条件反射でそれを受け取ってしまった。
「これは?」
「雪那ちゃんのお弁当」
静音さんは、慧斗にも渡しながら言う。
お弁当………
「………いいんですか?」
「勿論、雪那ちゃんのために作ったもの」
食べてもらわないとお弁当が悲しむわ、と静音さんは綺麗な笑顔をくれた。
あたしは、ジッとお弁当を見つめながら胸がじんわり温かくなるのを感じた。
「……ありがとうございます。」
温かい。なんて温かい家族なのかな。
あたしにも、もしかしたらこんな家族があったのかな……?
「行ってらっしゃい。気をつけるのよ?」
行ってらっしゃい。今まで言われたことなかった。