もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。



耳元で誰かの声がする。


うるさいなぁ、せっかく寝ていたのに……


最初はシカトを決め込んでいたけれど、終いには体を揺さぶられ始めたのであたしは渋々目を開ける。


すると、目に飛び込んできたのは。


「………」

「あっ起きた!」

「………あ、携帯の」


声の人だ。


「そうそう、もう来たのにいくら呼んでも起きないから、死んでるのかと思ったよー」


にこやかにとんでもないことを話す彼。あたしは、はぁ……、と曖昧な返事をしながら上体を起こす。


そしてまじまじと目の前の彼を凝視する。綺麗な顔をしていると思う。黒髪がよく似合う日本人、て感じの人。


だけど、着ている制服をこれでもかと着崩しているから真面目てな感じの人ではなさそうだ。



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