もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………は?」
何言ってんだこいつ、みたいな目で見られるけど気にしない。
彼の声に興奮してるから。
「うわー、もっとしゃべって!」
「おい、近づくな」
かなり引き気味の彼は、あたしの額に手を伸ばして牽制してくる。
やっぱりいい声ー、とあたしは彼の声を聞く。
「何?、君声フェチ?」
クスクスと、可愛い系の彼が話しかけてくる。
声フェチ?
「んま、そんなものです」
にっこり笑みを返して、あたしは格好いい系の彼から一歩離れた。
「あ、ごめんなさい。これ携帯です」
「あ、あぁ……」
「貴重な声聞かせてくれてありがとう」
いやー運がいい。
待っていて良かった。
きっと彼の声は一生忘れないだろうな。
うんうんと頷きながらあたしは彼らに背中を向ける。