もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
ふらふらと街に出た。
周りは作られた景色ばかり。イルミネーション以外は作られたものにときめいたことがない。
「…………っ」
ズキッと右目ではなく左目に痛みが走った。
痛みで我に返る。
昨日のあたしはあたしじゃない。
「時間なんて、あたしにはないんだから」
そのまま街を出て、適当に歩いた。帰れなくてもいい、ただ、歩いた。
歩けば歩くほど明かりは消えていっていつの間にか陽は沈み、月明かりの下を歩いていた。
気がつけば平坦な場所じゃなくて上り坂を登っていた。
「あれ?丘だ」
登っていた道の先は開けていてそれ以上上に行く道はなかった。
その代わり、そこからは街を見渡せた。ポツリポツリと明かりが灯っている店もあり、夜になればもっと沢山の明かりがつけばもっと綺麗かもしれない。