もし明日が見えなくなっても切ないほどにキミを想う。
「………ぅへ?」
ごしごしと目をこするけど、光景は変わらない。
あたしを囲むようにぐるりとバイクが並んでいて、ライトがあたしを照らす。
こんなにバイクあったらうるさいの当たり前だね、てか気付いてよ自分。
ははー、と内心冷や汗をかいていると、一台のバイクに乗っていた人が降りてヘルメットを取る。
「こーんなとこで何してるの?」
ヘルメットを小脇にその人はあたしに近づいてきた。金髪の、男。
「べ、別に何もしてないです……」
語尾がだんだん小さくなっていく。
「夜に一人は危ないよ?」
にっこりと笑みを向けられるけれどあたしの背中に氷の塊が滑り落ちた。
この人、危ないかもしれない。