LOVE☆PIECE
自然と伸びた手が先輩の肩に触れていた。
?
顔を上げた先輩と目が、合う。
じっとこちらを見つめる瞳。
吸い込まれそうに澄んでいて
「先輩……」
糸くずが、という言い訳はどこかへ行ってしまった。
自分にこんな大胆なことができるとは思わなかったけど
僕はそのままの先輩の髪に触れる
揺れる度に
忌々しいくらいに気になる柔らかな髪
こしがなくて細い髪は指通りが良くて
言葉が勝手に口をついていた。
「好きな人とか、
いるんですか?」