LOVE☆PIECE
先輩は少し悲しそうに微笑んだ。
あ、初めて、見る顔
「大事な人が
いたんだけどね……
遠くへ行っちゃったの」
そう答えた先輩の目には
僕は全然映ってなくて。
空虚な暗闇がそこにはある気がして。
僕は何も言えないまま。
先輩の髪からそっと手を離した。
「先輩が」
話しかけても
やっぱり変にぼんやりしている。
今日の先輩は、おかしい。
「あの、僕でよければ
ですが
先輩が、悩みとか
あるんだったら
いつでも、相談のります、から」