LOVE☆PIECE
「あらあら、
ずいぶん賑わっちゃって。
楽しそーじゃん。
湊のヤツ」
向かいの校舎から
放送室を双眼鏡で覗く
黒い影がそう呟く。
「いっちょ、
邪魔しに行ってやろっかなぁ、
暇だし~」
日差しを受けて金色に光る少し長めの髪
形の良いあご
大きなつり目気味の瞳
通った鼻筋
ニヤリと笑うと
意地悪そうな笑みにも関わらず
爽やかな空気が辺りに満ちる
日差しに反して冷たい風が流れてくると
彼は気持ちよさそうに伸びをする
放送部にまた一人近付く人間がいた。