LOVE☆PIECE
「宵悟……」


「安心しろって、

手え出したりしない。気が向かなきゃな。
可愛い後輩と過ごしたいのは俺も同じだ。
後輩は『実験』対象から外すさ。

ただ……」


意味深に館山を見つめている。


「向こうがその気になれば、話は別だ。
それはしょーがないだろ?」



挑発的な声にしばらく黙っていた館山は
悲し気につぶやく。

「……いつまで続くんだ?

その病気は」



対する答えはそっけない。


「わからない。

理解できるまで、もしくは、

この俺を変える相手が見つかるまで


じゃね?」


無言で館山はドアに向かう。

その背中からは疲れた空気が漂っていた。


「安心しろよ、

湊にはそういうの近付けさせねーから」

無言の館山がドアを開けて出て行く。

芹沢もそれに続く、と思いきや


急にこっちを振り返った(°°)


隠れる間もなく目が合う。


ニヤリと笑った彼は唇に人差し指を当てて

片目をつぶると


きびすを返してドアから出て行った。
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