僕の初恋(仮)

冬期講習2日目

翌日。


昨日と同じく午前中から部活だった俺は、いつもの三人で帰路を辿る。



「今日で部活も終わったかー。何かあっと言う間だったな」


「あー。先輩引退して、もう年越しだぜ。早えーよな」


「これで今日の塾が無けりゃ最高なんだけどなぁ」


「・・・」


ヒロの台詞に、俺は無言になった。

いつもならきっと、
俺もー、と同意をしている所だが。


何故か俺は、今日これから塾に行く事に対して余りイヤな気はしなかった。


何でだろう、と考えてみて、昨日の集中しまくった授業の事が思い出され、次に水野先生の顔が浮かんだ。



「あれ?お前、今日も塾だよな?」


「ああ。」


「え、何か塾嫌いじゃなかったっけ、お前」


「ああ・・・。あのさ、俺ラッキーかもしんねー」




ああ?と首を傾げるヒロと、視線を向けてくるカズマに、新しい先生の事を話した。
< 19 / 50 >

この作品をシェア

pagetop