僕の初恋(仮)
「涼、部活行くぞー」


「おう」


いつものように教室に呼びに来た俺の親友・ヒロと体育館へと向かう。



「あと3日で冬休みだー。お前今年もばあちゃんの家行くのか?」

「ああ。今年もいっぱい本持って行こ。ばあちゃん家、暇なんだよ」

「ほんっとお前本好きだよな?俺漫画は好きだけど本は読めねー。」



終礼直後、すぐに教室を出た俺達だったが、体育館には既に着替えを済ませてウォーミングアップを始めている奴がいた。


俺はあーあ、と言いながらシュートを決める後ろ姿に声を掛けた。


「カズマー、またHR抜け出して来たんだろ」


ヒロもニヤニヤしながら話し掛ける。


「今週はまだやらねーなと思ったら・・・また怒られるぜ?」




カズマはヒロと同様、幼稚園からの幼なじみで、学校では有名な先生の言うことを聞かない問題児だ。

カズマはしょっちゅうHRを抜け出して、先に部活を始めていたり、時には部活もやらずに帰ったりする、物凄く自由な奴だった。



「イヨッシャー!3ポイント五連続で決まったー!」



「マジで!?嘘だろ、お前」


俺達は手早く着替えてカズマに加わった。
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