僕の初恋(仮)
結城という奴は、俺の期待を裏切らない。


奴は俺が狙うことを、見事にヒットしてくれる。

簡単な自己紹介と、テキストの指示を受けると、結城は勉強そっちのけで「先生」の質問を聞きまくる。



「先生、何歳?大学生?」

「何歳に見える?」

お決まりの返し文句に、結城は迷わず回答した。

「28歳」


「冗談以外の何物でも無いわよね?」


先生は黒い笑みを湛える。


「うん、冗談だよ。25歳でしょ?」


「もっと若いわっ!」



「どこの大学?」

「先生は社会人です。」

「え!どこで働いてんの?何してんの?」

「内緒!ほら、早く問題解きなさい?」

「・・・・・・
・・・出来た!」

「早っ、
そんなに速く解けるならドンドン進めようよ」

「先生の事一つ教えてくれたら一問進める」

「どれだけ私の事を知りたいのよ・・・」

「問題の数だけー」




・・・。

何だろ、この二人・・・

面白い。


ボケボケな結城もいいけど、すかさずつっこむ先生もいい・・・
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