僕の初恋(仮)
部活を終えて、いつものように3人並んで帰る。

「あー、面倒くせーな冬休みの宿題」

「何お前、もう冬休みの宿題の事考えてんの!?」

「だって毎年冬休みの宿題多いんだもん、どうせお前は本の事で頭いっぱいなんだろ?」

「当たり前じゃん!」


こうやって3人で居ても、大概俺とヒロでしゃべっていて、カズマはあまり話に加わらない。

自由でちょっと寡黙な所が女子には人気だったりする。


マフラーを振り回しながらふざけ合っていると、後ろからクスクスッという女子特有の笑い声が聞こえてきた。


振り向くと、カズマと同じクラスの女子のグループがこっちを見ながら笑っている。


お、見られてる。


ヒロも気付いたようで、俺達は顔を合わせてニヤリとした。


俺達3人はよく、女子から人気があるなんて噂を耳にする。


カズマはこの通り、男から見ても惹かれる物があり、何より引き立つのが"悪っぽい"という要素だ。

カズマと同じクラスの時、席替え時の女子の盛り上がり様がハンパなかった。


ヒロは誰もが認めるイケメンと呼ばれる類だ。

単純に顔がいい。
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