僕の初恋(仮)
居間でテレビを見つめる兄貴と母さんの横で遅い夕飯を済ませば、いつもなら混ざってバラエティー番組に耽るのに。


「ごちそうさま」


食器を流しに運んだら、そのまま二階の部屋へと向かった。




いつもの塾帰りの気分とは違って。


勉強をやり終えて、後はテレビやゲームや大好きな本に夢中になるだけという解放感は見当たらない。


だけど代わりに、不思議な余韻に浸っている。


一人思想に耽りたい。

そんな気分だった。
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