僕の初恋(仮)

新たな物語の先

荷物を詰め込む。


着替えと、ゲームと、勿論あの赤い本も。



「涼一?早くしなさーい、アンタだけよ準備出来てないのー」


一階から届く声に生返事をして、俺はバッグを肩に掛けた。



カーテンを閉め、部屋を出ようとして携帯を忘れた事に気付き枕元を探す。


そうだ充電器も。




「まだなの?昨日の内に準備しておかないから・・・」

「今行くってば」



窓の外には、もうすっかり車に乗り込んだ兄貴が見える。


良くできた兄貴なこって。


優秀な兄貴は何でも俺の先を行く。
< 35 / 50 >

この作品をシェア

pagetop