僕の初恋(仮)
大学ー


まだ中学生の自分にとって、それは遠い未来の事で。


高校受験だってまだ頭に無いのに、大学の事なんて全く考えられなかった。


しかしこの主人公は大学生で、しかももう就職をする事を考えていて。


いつかこんな風に考える時が来るのだろうか。


大学で学ぶ事と就職とを結びつける事に関して、まず自分は将来何になりたいだろうかと考え出した。


俺は、本が好きだ。


口を突いて出るのがこの一言。


しかし、この本好きは一体どうしたらいいんだろう。


将来の夢は、なんて作文を書かされたことはあるが、実はそれぞれその場凌ぎで本気で考えた事なんてほとんどない。


将来なんになろう。


サラリーマン・・・。父さんはそうだが、なりたいと思う事は正直なかった。


小さい頃はライダーマンだの宇宙戦隊ギャラクシーだのかっこいいと思うものを全て将来の夢にしていた頃が懐かしい。


何になりたいか。


いやはや何も思いつかなかった。



もうすぐ大学に行く兄貴は、何か夢はあるのだろうか。


本から目を逸らし、そっと兄貴の方を見やった。
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