僕の初恋(仮)



午後の部活を終え帰宅すると、既に兄貴は夕飯に手をつけていた。


「あー、腹減ったー」

「手洗ってうがいして」


うちの母親は衛生管理に余念がない。


「もう、したし」


俺は椅子に座って手を合わせた。


「いただきまーす」





ニュースを見ながら、大好きな豚の角煮に箸をのばす。


「涼はいつから冬期講習?」

「あー・・・27、28」

「そう、じゃあ29日からおばあちゃん家行くからね」




冬期講習か。

勉強は嫌いじゃないが、塾は余り好きじゃない。

単純に、面倒くさい。


それでも通うのは、その姿を見て母さんが満足するからだ。


どうせ宿題もある事だし、それを塾で先生とやればいい。
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