愛しのマイ☆ドクター
そして僕は院長先生が出勤する時間になるとすぐに院長室へ行った



美羽のお母さんには既に話をして口頭でターミナルケア切換への了承を取ったことを伝えた



『そうですか・・・ 本人が望んで保護者が承諾しているなら・・・ そうせざるを得ませんね・・・』



『はい・・・』



『ではシモザワプロダクションには私から電話をしておきましょう 社長さんがすぐに来られるかもしれませんね・・・』



『宜しくお願いします』



僕は医局へ戻ってお母さんと院長先生の承諾用の書類を作成した



雛形が既に存在していたので、患者名や病名、年月日を変えていくだけの単純な作業だった



早く手続きを終わらせて美羽の望むようにしてあげたかった



ターミナルケアに切り換えれば少なくとも副作用の苦しみはなくなるし 必要ならばモルヒネなどの鎮痛剤を投与することもできる・・・



医者として僕に残された仕事は彼女を少しでも楽にして旅立たせてあげること・・・



そう自分に言い聞かせた



そしてお母さんの病室に戻ってサインをしてもらった



そのまま再度院長室に行って院長のハンコを押してもらった



これで美羽を苦痛から開放してあげることができる・・・



その足で美羽の病室へ向い彼女に連なっているいくつもの器機を取り外した



岡崎さんがそれらを持ち去ってしまうと病室がかなりすっきりした



僕は美羽が自然に目を覚ますのをじっとそばで待つことにした
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