愛しのマイ☆ドクター

告知

次の日は

朝からずっと雨だった



冬の朝特有の

ときどきヒョウが混じるような

氷雨が降っていた



美羽の容態が急変したと

連絡を受けたときには

窓の外は数メートル先も

見えないくらい

氷雨が激しくなっていた



『どうですか?』



昼食後に医局で連絡を受けて

すぐに美羽の病室に駆けつけた



岡崎さんがそこにいた



『発熱しています。

十分ほど前の検温結果は

38度4分でした』



てきぱきとした声だった



『わかりました とりあえず解熱剤を打って

抗生剤の点滴をしましょう』



『用意してきます』



岡崎さんが早足で病室を出て行った



『せんせ・・い?』



熱で赤い顔をしながら

美羽が言った



『ここにいるよ 大丈夫?』



『あたしの・・・ び、びょうき・・・

って・・・なに?』



言葉を失う僕だった

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