愛しのマイ☆ドクター
『離してーっ! いやーっ!』



かなりヒステリックな

その声が聞こえたのか

美羽のお母さんが病室にやってきた



『美羽っ! どうしたの!?』



それを見た美羽の声は

収まるどころかいっそう激しくなった



『お母さんも嫌いっ!

来ないでっ!

みんな嫌いっ!

大っ嫌い!

もうほっといてーっ!』



しょうがないので僕は彼女を

お姫様抱っこするように抱えあげて

ベッドに連れ戻し

岡崎さんに鎮静剤を用意するよう指示した



『やめてーっ!

触らないでっ!

いやーっ!』



『美羽っ ちょっと 落ち着いて! 話を聞いて!』



『いやーっ!もう殺してーっ!』



岡崎さんが

鎮静剤の入った注射器を持って

駆け足で戻ってきた



僕は全身で美羽を抑え込みながら

それを打つように言った



『やめてーっ!

いやだーっ!』



岡崎さんが

暴れる美羽に注意しながら

腕に注射針を刺して

中の薬品を注入した



美羽はあっという間に

気を失うように眠った



その寝顔は

僕に眠り姫を連想させた
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