愛しのマイ☆ドクター
いいでしょって言われても

即答はできなかった



なんといっても

このマデルンハイト症候群っていう病気は

原因不明の難病なのだ


いつなんどき

どう症状が

どう悪化するか

ぜんぜん予想もつかないし

対処法もないに等しいのだから



僕が考えこんでいると

美羽がまた僕をのぞきこんで

話を続けはじめた



『ねえ 先生 美羽ね

もうすぐ死んじゃうでしょ』



『美羽・・・

そんなこと言わないで

僕も院長先生も岡崎さんや他の

人達も一生懸命美羽を治そうと

してるんだから』



『あ ごめんなさい

別に前みたいにヤケになって

言ってるわけじゃないの

じゃあ言い直すね

美羽の病気なかなか

治らなくって

活動できなくなるかもしれないでしょ』



『うん まあ・・・そうかもね・・・』



『ほら これ見て 美羽の腕

注射の跡でこんなになってるの』



美羽はパジャマの腕をまくって

注射でたくさん青いあざができている

その痛々しい肘の裏を僕に見せた



『これじゃあもう

ノースリーブ着れないよ』



それを聞いて

せつなくなったが

美羽の話は

まだまだ続いた
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