碧色の君へ
私達は互いの背中に寄り添うようにして、遊んだ。
別のことをしているのに、なんだか今までで一番ココロが近いような気がした。
「…碧、何してるの?」
「砂の城作り」
「……あとで、私もやる」
「やってみろ。俺ほど綺麗には出来ないだろうけど」
碧の憎まれ口に、私はムッとして小さい貝殻をその肩に乗せてやった。
気付いていないようだった。
「夏海」と碧が再び私に話し掛けた時、私の小さな悪戯はぽろりと転がり落ちた。
「うん」
「内定決まった?」
「うん。今のバイト先、そのまま」
「そっか。そりゃ良かったな」
「碧は今…N商事だっけ」
「うん」
ごく当たり前なのに再会してからずっと出来てなかった会話を、背中合わせのまま続けた。
さっきから言いたいと思ったことがあった。