碧色の君へ
その手をぎゅっと握り締める。
初めてちゃんと向き合うことが出来たような気がした。
「…それが、夏海の答え?」
碧が私の手を握り返す。
その力はやっぱり、私よりもずっと強い。
どちらからともなく、
指をそっと絡めていた。
「…うん。変に待たせてごめん」
「…」
「8年ぶりに再会した碧、すごく格好よくなってるから…本当は一瞬戸惑った。それでもやっぱり碧は私にとって大切なお兄ちゃんなんだなって。…麻美さんには嫉妬したけど、それでも幸せになって欲しいって、思ったの」