碧色の君へ
11―cross road
―――翌朝。
私は逃げ惑っていた。
桂川家、前代未聞の大騒動が起きていた。
「いーやーーっ!嫌だってば!」
「絶っっ対に似合うから着なさいってば!…こら、香奈も!」
「やーめーてぇぇっ」
逃げ惑う姉妹。
追う母。
式に出る出ない言ってる場合ではない。
あのフリフリのドレスだけは、何が何でも勘弁して欲しかった。