碧色の君へ
碧や麻美さん、沙知絵さんはもう既に会場入りしているから、家には私達だけ。
幼なじみとはいえ人の家でバタバタと暴れ回る私達は最低だと思う。
やがて香奈が捕獲され、フリフリのドレス、ピンク色バージョンを着せられた。
「いやーっ!絶っっ対コレ、趣味悪い!やめてー」
「可愛いじゃないっ」
お母さんの行為はイジメだと思うし、確かにドレスは趣味悪いけど。
香奈は顔が可愛いから、フリフリを着てもそれなりに似合ってはいる。
「か…香奈、似合ってるよ」
なんとか笑顔をつくってそう言うと、香奈は恨めしげな視線をこちらに向けた。
「あたしが着たんだもん。…お姉ちゃんだけ抜け駆けしようなんて、思ってないよね?」