碧色の君へ
3―looking for
「「いただきまーす」」
すぐ近くにあった、小さな和風喫茶店に入った。
二人して、目の前に運ばれてきた餡蜜に手をパチンと合わせる。
付き合わせてしまったお詫びに、香奈に何かご馳走しようと思っていたから。
つぶあんたっぷりの白玉を口に含むと、甘さがふんわりと広がった。
「美味しーい!」
きゃっきゃっとはしゃぐ香奈を見ながら、私は熱いお茶に手を伸ばした。