私のSweets Boy
トン・・・トン・・・トン・・・トン


包帯が巻かれた左腕が使えないから、


野菜を切るのもちょっと一苦労なのだけど、


まな板にのせたにんじんを適当に切っていた。



「あーあ、なんだそれー、大きすぎるぞー」



後ろから、聞きなれた声。



「ったくー、何作るんだよー 貸せよ」



キッチンに入ってきて、



私から包丁を取り上げると



トントントンと気持ち良い音で



にんじんが切れていく。



「で、次は? これ切ればいいのか?」



まな板の横においてあった、ジャガイモと玉ねぎを指差し私に聞いた。



「うん、あ、でも私やるから・・・」



「お前がやったら、倍の時間はかかるだろ?」



確かに、片手が使えなければ、



いつもより、時間がかかる。





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