出会えてよかった
真っ黒の教科書を開いて授業を受けていると、




「大黒さん」




私を呼ぶ声がした。




まさかな、と思った。



だって、私の名前なんか誰も呼ばない。




しかも“大黒さん”なんて誰が呼ぶのか。





そんなことを思ってノートを写していると、



「大黒さん」



また私を呼ぶ声がした。
< 55 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop