【短編】失恋
~♪~♪
携帯の着信のせいで目が覚めたのはもう10:00だった。
「ふぁい…もしもし?」
私は寝ぼけたまま電話にでた。
『…美玖ちゃん?やっと電話にでたね』
それは聞き覚えのある声だった。
「真一郎さんっ?!」
いや…決しておかしいことではないんだけどなぜかびっくりした。
『ゆっくり眠れたみたいだね』
その声からは,真一郎さんの優しいほほえみが想像できた。
真一郎さんはホテルのお金は自分にツケとくこと…そのことを詳しく話してから,『明後日会えるから』そう囁いて電話を切った。
頬が熱くなるのが自分でも分かった…
「バカだなぁ…私はキャバ譲で,真一郎さんは妻子持ちなのに」
ふと言葉にすると,どんどん涙があふれだした。