空と陸


「いつも見てたつっうのは嘘じゃないから。別にからかってたわけじゃないから。」

こっちを見ないで話す空。
もしかしてそれが言いたくて抜け出した…なんてないよね??


「うん。」


見た目はすごくチャラチャラしてて遊んでそうだけど、案外中身はナイーブだったりするのかも。

ぱあっと明るくなる空の顔。みんなはこんな空に落ちていくんだろうなと思った。


「いつも空ばっかり見てるよね??なんで??」


「他に見るところがないから。空はみてて飽きないから。」


私がそういうと、空は、ずっと聞いてみたかったんだ。ってまた笑った。



話したいことってこれですか;;

ほんと子供みたいだな…。


「戻ろっか。」


いきなり飛び出してきたしみんなが心配してたらいけないから私はそう言った。別に楽しくなかったわけじゃないしね。


空が歌ってるのを見たいってのもあるかも…。


空は名残惜しそうにベンチから立ち上がって私の隣を歩き出した。


なんだか妙にこっちを見てるような視線を感じる気がするけど気にしないようにしようυ



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