空と陸


─昼休み


「一緒に弁当食べよう!!」


チャイムが鳴り終わった瞬間、空が私のところに来て言った。


私はお昼はいつも屋上で空を見ながらひとりで食べていた。私の一番好きな時間。

「みんなで食べよう!!」


なにもしらない空。断ったらまた悲しい顔すんだろな…。

しょうがない。


「わかっ…」

「ダメだよ空!!陸の一日の楽しみをとっちゃダメ!!」


由香が私の前に立って空に言った。


「一日の楽しみって??」


空は不思議そうな顔で私を見た。

「…ついてきて。」

気づいたらなんでかそう言っていた。空は嬉しそうにパンを手に持って私についてきた。


ホントに子供みたいでかわいい…。一人っ子なだけに弟いたらこんなのかなって。

大きな子供だけど(笑)


「今笑った??」


「笑ってないよ。ついたよ。」


私は屋上の扉を開けた。

誰もいなくて貸し切り状態の屋上。私だけの秘密の場所。由香以外を連れてくる日がくるなんて…。


「わ〜貸し切りじゃん!!」

空は柵の方へ走っていって下をのぞいている。空によく似合うこの場所でふたりでお昼をする。


なんか変な感じ(笑)



< 13 / 46 >

この作品をシェア

pagetop