空と陸


「どした??元気ないけど。」

空が話しかけてきた。


「んー…??普通だよ。」


「楽しくない??」


「そんなことは…」


「どっか行く??」


へ??

「行こう。」


ブラウンの髪の毛を軽く揺らしながら空はいきなり立ち上がって、私の手をつかんだ。


急な出来事に頭がついていかない私に、びっくりする周りの人たち。


生まれてはじめて男の人に手を握られた。大きくて、暖かくて、少し湿ってた。



一体どこに行く気なんだろうか。と思いながらついていくと、前を歩く空がいきなり立ち止まった。



ほんとに"いきなり"が好きな奴だな。


おかげで私は彼の背中にぶつかった。


「うぐッ;;」


「あ;;ごめん×2」


どうしたんだよυ

「いやぁ、どこ行こうかと思って。」


「…決まってないんかい(笑)」


いきなり引っ張ってきて行くとこ決まってないしなんか可愛いなと思って笑えた。



空って不思議な人だなって改めて思った。


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