おめでとうって言えるかな。



小さい頃から大好きで



誰よりも理想の人だった



他の男の人とは違った。



頼りがいがあって



何でも得意で



優しくて、心が広くて



カッコよくて...



言いだしたらキリがないほど



良いとこばかりで



悪い所が見つからない。




名前を呼んでくれるだけで



すごく嬉しかった。



目が合うと



めちゃめちゃ緊張して



上手く喋れなかった。



それでも



いつももっと話したくて



もっと近くにいたくて



あの笑顔をこっちに向けてほしくて



精一杯の力を振り絞り



懸命に話しかけた。



たぶん、



思ってる半分も言えてない。



自分でも



耳が熱くなるのが分かるぐらい



「顔、赤いけど大丈夫?」って



あの人に心配されるほど



話題を探すのに必死で



目の前のことに



いっぱいいっぱいだった。



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