Milky Milk ~間違いないのは1つ~
「2人とも」しびれをきらし、由茄は言う。「注文も多くなってきたし…やろ?」
「もちろんです、ユカくん」
邪魔されたことをまだ怒っているらしい。海の声色は低く、棘があった。愛羅は、少し離れ壁に体を預けた。
海は作業に入る。
オーナーが作った料理を丁寧に飾りつけようとするが
まだまだうまくはいかないものだ。バランスが崩れたり、料理を傷つけてしまう。
そんな海を、遠くから愛羅は眺めた。海の額は光っていた。ハゲたの、と思ったが、それは汗だと気づく。
(なんでそんながんばるんだ?)
愛羅には理解不能だった。頑張ることに意味を感じられないのだ。頑張ったって、残るのは無駄な感情…頑張ったって…。