Milky Milk ~間違いないのは1つ~

完全に、愛羅が主導権を握ったようだ。海へは大して影響はないし、由茄にいたっては風さえ来ないので実感というのはないが。


海は、お化け屋敷並の叫び声に苦笑する。


(一体アイラさんは何してるの…)

「ウミちゃん」中年の男性は海を真っ直ぐみる。「なんか、楽しそうだね」


「えっ?」


「最初来た時は表情固かったけど、今は柔らかいからさ」

はっとした。すごい観察力…。自分でも気づけない変化を、いとも簡単に言い当てた…。尊敬の眼差しを向ける。


「あっ」男性は腕を捲り、腕時計を見た。「そろそろ行かなきゃ」
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