天然彼女は俺の生徒
「先生彼女とか居るんですか?」
居たら何なんだよ。
「居るよ。」
「私、先生に彼女が居ても諦めませんからっ!」
こういう生徒どうしたらいいんだ?
「……………。」
少しの沈黙。
すると、よりによって花本が来てしまった。
どうする、俺。
そいつの真剣な表情。
花本はその空気を読み取ってしまったらしい。
「あ、ごめんなさい!あの…提出物、持って来ただけなんで…。」
花本は分かりやすい子だ。
瞳に涙を溜めて
「失礼しましたっ」
そう言って走って行く。
追いかけねぇと…。
早く、早く花本の側に行かねぇと…。
俺は追いかけようとしたその時。
「…行かないで!花本さんも…ただの生徒でしょ?それとも、花本さんの方が大事?」
昼ドラのような台詞。
花本が大事に決まってんだろ?
なんて、
言える訳も無くて。
「どっちが大事とか、ねぇんだよ。」
こう言ってやるしか今のそいつにはなかった。