あたりまえのしょうり
仲間



「あとどれぐらいで着きますか?」

少女が陽気に尋ねた


「あと5分程かと。」


「ありがとうございます。」


陽気な言葉で長い沈黙を破ったことに、男は奇妙な違和感をおぼえた


「何処か寄りましょうか?」

ミラー越しに少女を見る


「いえ、結構です。」


おかしな事は何もない
にこやかに座る少女がいるだけだった


「では、直行致します。」

< 9 / 32 >

この作品をシェア

pagetop