本当の自分・・・
「だって、いつもは挨拶しても無視するのに、今日はしてくれたから(笑」
『・・・そうだったか?』

朔夜は、頭にはてなを浮かべていた。

「そうだよ、ってことは朔夜が僕の事少し認めてくれたんだよね(笑」

拓斗は今まで以上の笑顔で朔夜を見つめていた

『・・・んなわけねぇーだろ。』
「えっ・・・」

朔夜は拓斗を見つめながら言った

『俺はもとから、お前のこと認めてるんだよ。』
「朔夜っ・・・・」

拓斗は返事をしないかわりに、ぎゅっと腕に抱きついた。

『・・・ってか、いい加減離れろよ』
「い〜や〜だ〜!!」
『行かなきゃいけないとこれがあるんだよ。』
「それって買い物、だったら僕も行きたい!」

駄々をこねる拓斗を見て、溜息をつきながら言った。

『・・・・墓参りだよ、両親の』
「!!」

朔夜の言葉を聞いて、目を見開かせて、俯きながら拓斗はこう言った。

「・・・気づかなくてごめんね」

そう言って、朔夜の腕から離れた

『いや、今日は帰りが遅くなるから先に寝てろ』
朔夜は拓斗を残して、人混みの中へ消えていった。
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