手紙
しばらくの沈黙の後
気まずそうに先輩は言った

「…この前はごめん」

大きく心臓が波打った

何も言うつもりはなかったけど、
なにも言うことが思いつかなくて
黙ることしか出来ない

「……」

「許してくれなんて言わない

けど…」

先輩はちょっと困ったように口を閉じた

多分なんて言ったらいいのかわかんないのだ
でもなんとなくわかるよ…

だけどわざとわからないふりした

「……」

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