手紙

「…もしかしてさっきまで泣いてた?」

新井田くんに図星を指されて
思わず勢いよく顔をあげた

見上げた新井田くんの顔はあの時の、
屋上でみたときの優しい笑顔と一緒でどんどん涙が溢れてきた

「……っごめん」

新井田くんは黙って頭をなでてくれる

だからいつも素直に話せるんだ
あたしの気持ち

「…あたし分からないの

木村先輩のことが好きなのに、その気持ちに嘘はないのに
気づけばいつもどこかで桐里先輩のこと考えていて

忘れられないの…っ」

もうわからないんだ

何がほんとうに好きで
何があっていて何が間違っているのかも


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