手紙
しばらくして、その空気をやぶったのはあたしだった
頭は未だに真白なのに
言葉が自然とこぼれた
「……うそだ」
だって桐里先輩は
あたしのこと壊したくなるって
前の彼女を忘れられなくて眼鏡もかけてくれなくて…
「鈴木っ!」
「へ…?」
新井田くんの手があたしの頬をこする
涙が頬に広がり冷たくなっている
「きゃっ」
次の瞬間、あたしは新井田くんに抱きしめられていた
「…新井田くん?」
抱きしめられている力が予想以上に強くて、新井田君の心臓の音が微かに聞こえる
ドキン ドキン
ちょっとだけ早く大きく動いている