手紙

新井田くんの何かを決意したようにあたしの体をちょっとだけ離し、
あたしの目をみて話し始めた

「…俺、兄ちゃんに言ったんだ

鈴木が桐里先輩と廊下に出て行った時」

その言葉といっしょに、あたしの頭にあの時の木村先輩の哀しそうな笑顔がよみがえった

「もしも鈴木がまだ桐里先輩のことを想っているんだったら
兄ちゃんは鈴木の気持ちを優先するべきなんじゃないかって」

………え
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