手紙
その声は今日のあたしに
なんだかすごく優しく聞こえた

あんまり優しくしないで…
諦めきれなくなるよ

その優しさが痛すぎて
気づけば口からもれていたんだ

ただちょっとだけ
ふざけて困らせてやろうって
そんな軽い気持ちで


「…先輩、キスして」

一瞬先輩の目が驚いて丸くなった

先輩が困ってたら、冗談だよって
笑うつもりだった

なのに


「いいよ…」
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