手紙
「いつもは俺が変なことするたびに
こんな風にバカみたいに口大きく開けて笑うのにさ」

そう言って似てないあたしの真似をする新井田くん

その顔がおかしすぎていつもの調子にちょっとだけ戻ったあたし

「…っぷ、

ひっど!あたしそんな変な顔してないよ!」

新井田くんの体を軽くたたく

「…やっと笑ったな」

「…え?」

そう言って新井田くんは優しく笑った

…どうしてこのひとがもてるのか
わかる気がするな

あたまではそんなことを考えているのに-


新井田くんを叩いてた腕は
新井田くんにつかまれていてそこから体温が伝わってきた

その体温がやけに暖かくて
胸につっかかってたものが取れたみたいに
なんだか涙がでてきた
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